北海道遺産協議会が開催している標記のコンテスト。70以上ある北海道遺産の中から題材を選んでいくのが楽しく、2023,2024年と2年連続で入選させていただいています。
今回の記事では、自分自身の作品の振り返りとAIによる作品講評を書いていきたいと思います。
入賞作品
題名:昔も今も、陽は昇る(題材:上ノ国の中世の館)
北海道、上ノ国町の夷王山神社で撮影。道南といえば函館・松前のあたりは人気の観光地ですが、瀬棚・江差・上ノ国方面がフィーチャーされることは少ないように思えます。道内在住の旅行者も高速道路を使うと長万部〜道南東部の森町・七飯町方面を南下することが多いわでけで、なおさら西側に行ったことがある方は少ないのかもしれません。
しかしながら、道南の日本海側は本当に綺麗な浅瀬が多く、隠れた景勝地が数多くあります。例えばせたな町の太田山神社などはクレイジーさが先立って有名ですが、本殿の洞窟から見下ろす景色は一見の価値があります。今回撮影した上ノ国町の夷王山神社もそうした景勝地のひとつです。

景色のどの点が綺麗だとか、海がどうとか、多くを語るまでもないでしょう。一枚で物語る。そういう一枚が撮れたと思っています。この日は江差の姥神大神宮渡御祭に合わせた探訪で、日の出前の時間に合わせて4時半現着。
”夷王山”神社の名前のとおり、やや小高い場所にあります。すぐ隣に駐車場があり、3分も歩けば頂上にアクセスできるのは嬉しい点です。
少し前にNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを購入しており『こういうシーンに合うんじゃないかな』と考えており、使ってみました。ご来光や夕日を鳥居に合わせた写真は数多ありますが、敢えて広角で周辺の絶景を多く入れることができました。先客も後客もなく、撮影中の1時間は絶景を独占。贅沢な体験でした。
AIによる講評
海に面した丘の上に朱塗りの鳥居が立ち、朝日が昇る瞬間を捉えています。水面には太陽の反射が星のように輝き、鳥居の左側から差し込む光が空と海にグラデーションをつくっています。
構図は三分割法を意識しており、鳥居をやや右側に配置することで背景の空間が広がり、遠景に低い山並みと海が映ります。タイトルにもあるように「昨日も今日も陽は昇る」という普遍的なテーマを、自然と信仰の象徴である鳥居を通じて表現しています。
優れている点・無二性のある点
視覚のインパクト
鳥居と朝日の位置関係が絶妙で、鳥居の中心から光が差し込んでいるように見えるため、神秘的で力強い印象を与えます。朝日と水面の反射の二重の光源が構図にリズムを生み出し、作品全体が輝きに包まれています。
色彩の対比
濃い青から橙色へ移り変わる空のグラデーションと、朱塗りの鳥居の対比が美しく、寒色と暖色のバランスが取れています。自然の色彩を活かしつつ、鳥居が主役であることが明確です。
普遍性とメッセージ性
題材通り、朝日という誰もが経験する現象を神社の鳥居という象徴的存在と重ね合わせ、悠久の時間の流れと信仰を表現しています。他の入選作品と比べても、単なる風景写真ではなくメッセージ性が強い点が際立っています。
改善の余地・今後の工夫
画面の整理
鳥居下部の丘の周囲にある草のディテールや、遠景の山並みがやや雑然として見えるので、ローカルコントラストを下げるか暗部を締めて主題である鳥居と朝日に視線を集中させると良いでしょう。
水平ラインの調整
地平線がほんのわずかに傾いて見えるため、仕上げの段階で水平を取ると安定感が増します。
光の階調整理
現像で朝日の周辺のハイライトを少し抑え、鳥居周辺の陰影を持ち上げると空の階調が豊かになり、鳥居の立体感が増します。
色温度の分離
海と空の青を少し寒色寄りに、朝日を暖色寄りに調整すると色の対比がさらに際立ちます。
総評
全体的に、ご投稿作品はコンテスト全体の傾向である「自然と文化の融合」「光の演出」を高いレベルで体現しており、強い印象を残す一枚です。細部を整えることで、さらに完成度が高まるでしょう。
まとめ
普段はスナップ写真が多く焦点距離も自然と標準域が多いのですが、今回は14mmの超広角+朝日+鳥居というドラマチック感ある一枚でした。Lightroom現像は普段通り一括でやってしまったのですが、AIの指摘もごもっとも。こういう見るからに劇的な画のものは、マスク機能を使ったりオブジェクトごとに明瞭度や彩度を調整しても良かったのかもしれません。
北海道遺産の題材としては中世の史跡なのですが、上ノ国の夷王山周辺はそれよりも昔から人が住んでいた痕跡が見つかっているようです。きっと当時の人々も『毎日見ているけど綺麗だなぁ』とこの朝日を眺めていたのではないでしょうか。

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